2024/07/16 10:00

令和六年 梅雨の終わりの湿った夜風に吹かれながら

雨上がりの土曜の深夜、閉店間際の酒場で日々忙しく、休日出勤も厭わず、10年近く前の新人の頃から、変わることなく迷いながらも前向きな姿勢で生きている男がいつものジントニックを楽しみながら、彼の親友の話...

2024/07/09 10:00

令和六年 自分のことをまた見つめ直した夏に

告知用プロフィール文言というものを限られた文字数で書いている。これまでもいくつか書いたものを色々な場面で公開してきた。そんな、これまでの言葉を見比べてみると、年代や使用する場で、変化(こんな生き方を...

2024/07/02 10:00

令和六年 水の月、大雨の酒場で独り言

文月になりましたね。「ふみつき」は「ほふみつき」稲穂を踏む月からきている「ほふみつき」が「ふみつき」になったと。稲穂の実る時季とは、だいぶズレてますね、今とは。旧暦の頃の季候では文月なんでしょうけ...

2024/06/25 10:00

令和六年 封印していた人間観察日記を…。

日曜の朝7時半の新幹線ホームにいる。気忙しく出かけた結果の早すぎる到着。大混雑でどこへ逃げても人、人、人の駅構内ではすることもなく、22番線発車ホームに上がり、先発と書かれた赤枠の先頭に立ち、梅雨入り...

2024/06/18 10:00

令和六年 珈琲と煙草と夏空と

最近考えることが多く、酒場を終えた深夜に考えたりしている。そうすると、かえって頭が冴えて、頭と身体が分離したような感じになって、身体は寝たいのに頭は寝ない、そんなことになってしまい、余計なことまで...

2024/06/11 10:00

令和六年 時の流れに身をまかせてばかりだった55年間

©️Yoshimi Nakagawa江戸末期から明治時代への革命から100年後、日本も加担していると言われたベトナム戦争の真っ只中、学生や若者たちが抗議の声と行動を起こした新宿争乱の年、太平洋戦争終結から20年ほどしか...

2024/06/04 10:00

令和六年 巨人ファンだったことを思い出した東京暮らし36年目に

35年ぶりとなる焼き鳥屋に行った。すでに長い歴史を感じた、店が入っていた当時の古いビルは、取り壊しか何かで全店舗撤退という話を風の噂で聞いていたから、もう焼き鳥屋もないだろうと思い込んでいた、という...

2024/05/28 10:00

令和六年 36年目の「東京」を考えながら

このところ死について考えている。と言っても死にたいとか、諦めや絶望ではなく、終いの準備というものの進め方を極めて前向きに考えている。悲しいとか、淋しいとか、辛い、そういうことではなく、前向きに。近...

2024/05/21 10:00

令和六年 五月の雨がそぼふる夜に

栗岩稔的酒番の流儀なんて、たいそうな書き出しをしてみた。命名してもらって二十五年來、自分の仕事を「酒番」と言っている。酒場のなかで、それぞれの作り手が生み出した良い酒を番頭として預り、一番(と、思っ...

2024/05/14 10:00

令和六年 真夏を前に真冬の札幌を思う

酒場でドラえもんの話しになった。子供の頃はあの漫画が未来の姿だと思っていた。鉄腕アトム、宇宙戦艦ヤマト、銀が鉄道999、ガンダムに至っては、遠い未来の話しで、そんなことは絶対ないでしょ、ぐらいに考えて...

2024/05/07 10:00

令和六年 セントラルパークを思い出す夏を前に

ロンドン、パリからそれぞれに帰国した酒場の主と語り合った。記憶に残る酒って何ですか、と土曜の深夜に訊かれた。だから、日曜の朝から考えた。たくさんありすぎたから年代順に書き出してみた。10代の終わり、...

2024/04/23 10:00

令和六年 青いビニール傘が欲しくなった午後に

若々しい緑が美しく生い茂る、大きな榎の木の下で、ヤクルトおじさんに会った。ヤクルト製品を配達しているおじさん、ではなくて、もうすっかり見ることのなくなった、ヤクルトスワローズの帽子を被ったおじさん...

2024/04/16 10:00

令和六年 足元の小さきモノに目を背けた春に

春霞の空に葉桜が揺れる正午過ぎお腹を満たした大人たちが和やかに行き交い足下にはたくさんの車が無機質に高速で行き交い、それぞれの週末を前にした街で、新緑の葉が生き生きと色濃くしげる歩道脇の植え込みに...

2024/04/09 10:00

令和六年 雨に濡れる夜桜を見上げながら

春雨前線が過ぎていく。日本中が待ち焦がれている桜前線とは別に、春の雨が過ぎていく。少し前なら菜種梅雨、その名の通り菜の花を咲かせる雨。別の名前は催花雨、感嘆の声を挙げさせるソメイヨシノだけでなく、...

2024/04/02 10:00

令和六年 サクラサク春に

もう二年も前のことになる。三十以上年の離れたひとりの男との出会い。その交流から始まった「栗岩稔と人間学」序章からはじめて、会場を移したり、延期したりしながら、二月最後の土曜日に全十二回を終えた。最...