2023/12/19 10:00

冬至を迎える。
日照時間が最も短くなる日。
柚子湯に入る日。
カボチャを食べる日。
あれ、カボチャって夏…?
何でも、夏に収穫したカボチャが成熟するのがこの時季らしく。
厳しい冬を乗り切るために強い生命力をいただきましょう、
ということから食す。
要は、これから寒い冬が来ますよ、だから気をつけて!っていう日。
日本ではこんな感じ。
二十四節季のはじまり、お隣の中国では春節のように大きな年中行事。
冬至は新年の如しと重視されて数日の祝日もあるとか。
一方のヨーロッパ、特に北欧ではユール(yule)といわれる大切な時季。
アジアにいる限りは計り知れない太陽のありがたみを実感するらしい。
特に、日中も太陽が昇らない極度の現象「ユール・ログ」極夜、
この期間には木の幹を燃やして自然界に宿る精霊に祈りを捧げる。
イチゴのショートケーキばかりだった日本でも昨今見かける
「ブッシュ・ド・ノエル」はこれが起源だそうで。
太陽が昇らない日を極夜、対して一日中昇っている日を白夜。
極夜は冬至、白夜は夏至と、太陽と地球の大きなつながりを感じる。
生命力の源である太陽の光熱を感じることの少ない冬至の頃には、
心身のバランスを崩す「冬季うつ」という病もあるのでご自愛のほどを。
白夜を舞台にした映画があった。
北欧ノルウェーで作られたものをアラスカに舞台を移し、
アメリカ、ハリウッドで同名でリメイクされた「インソムニア」
同僚を誤って射殺してしまい、自責の念と不眠症に悩まされる刑事と、
刑事が追いつめていく猟奇的な殺人の容疑者で人気作家、
都会からきた刑事を補佐しながらも疑いを持ちはじめる地元の刑事、
壊れていく刑事役にアル・パチーノ、冷淡な作家役にロビン・ウィリアムズ、
地元の刑事役にヒラリー・スワング、
彼らが演じる人間の深層心理と表裏一体の善悪。
それを白夜と霧に包まれる小さな町を舞台に
独特の光で表現したクリストファー・ノーラン監督。
久しぶりに観ようかな、なんて思うこの頃。
映画のタイトル「インソムニア」は、ずばり「不眠症」
そりゃ眠れないでしょ、白夜だろうが極夜だろうが。
たぶん、人間が許容出来る時間軸や人知をはるかに超えているはずなので。
地球の回転軸となる北極と南極、極夜と白夜、冬至と夏至。
太陽と地球からの人類への警鐘となるお知らせ、かなと。
昔は想像すら出来なかった時間帯での仕事、
移動時間も無く即座に切り替わる画面を通した仕事、
地球規模でつながっている人と人の間にある時間差、
そんな事象が多大な影響を及ぼしていることは間違いなく…。
今に生きるみなさまへ、
くれぐれも、くれぐれもご自愛くださいませ。
西暦を基にしようと旧暦を基にしようと、月齢でも二十四節季でも、
いずれにしても寒く、光り少ない時季であることに変わりはなく、
身体の芯から温まる何かが必要じゃないのかな、などと…。
冬至の風物詩をもうひとつ。
「ん」の付くものを食すと「運」が付くから縁起が良い。
この時季に「きんかん」を食すのは運が二倍になるから、だとか。
もちろん、旬を頂くことが運だけではない効能を身体に与えてくれるわけで…。
あ、そうか、みかんもりんごも、だった。
あれ、ホットワイ「ン」も、かな。
何かが違う気がするけれど…。
ようやく冬らしく風が乾いてきたし…。
仕込みますかね、何年かぶりに…。
そうそう、首、手首、足首と、首が付くところが外気に触れると
体感温度が1℃以上下がるらしいですよ、ご参考までに。
冬至の頃がみなさまにとって心身共に温かな時間でありますように。
ところで、裾から出ていませんか?足首とか…。
令和五年 好物が全て縁起良し!と思いたい冬至に
みかん、りんご、おでん、あつかんが好きな栗岩稔