2025/08/19 10:00

令和七年 八月の蝉を聴きながら

久しぶりに司馬遼太郎の言葉に触れている。「昭和という国家」という文章の言葉を読む、ではなくラジオの朗読番組で聴いている。昨今、特に老化が進んだ眼で読むことに対して気が向かないというよりもっと、気持...

2025/08/12 10:00

令和七年 山に抱かれて生きたことを思い出しながら

「50年経って初めてだよね、こういうの」「あ、そう、そうかな…?」還暦を過ぎた姉の前にチョコレートパフェ、還暦目前の自分の前には、抹茶クリームあんみつ。燦々と光が差し込む大きな窓から遠くに見える山並み...

2025/08/05 10:00

令和七年 何だか落ち着かない8月の始まりに

ザワザワ、ワサワサ、ギラギラ、ジメジメ、ピーボー、ピーポー、ザァザァ、ゴォゴォ、ヒューヒュー、国の舵取りはヒソヒソ、のニッポンの夏。酷い暑さはもちろんのこと、近くて遠い異国に感じていた半島で起きた...

2025/07/29 10:00

令和七年 突然の鼻血が熱中症だと知った午後に

すでにたくさんの人で溢れる東京駅構内を抜けて到着した20番線ホーム。朝6時の時点で、もう30℃に迫る気温なのだろうけれど、少しだけ清々しく青い空に惹かれ、少し痛みの出始めた腰と今にもつりそうな脚を運んで...

2025/07/22 10:00

令和七年 蝉の声がシンクロし始めた週末に

毎年楽しみにしている祭りがある。長らくいることになったこの町、住所で言うと銀座一丁目、銀座の端っこ。すぐ隣は京橋、かつては川だった首都高に掛かる橋を渡ったら新富町、とい場所。古くは、江戸城をはじめ...

2025/07/15 10:00

令和七年 アーバンでアンニュイな夏に

S・A・D・E、エス、エイ、ディー、イーってなんだ?セイド?、サーディー?、何て読むんだ、これ?から始まったアーティスト「シャーデー」今となっては、そのボーカル、シャーデー・アデューを理想の女性とまで...

2025/07/08 10:00

令和七年 海を遠くに見た朝に

雨の降らないある日の午後3時ちょうどに酒場の扉が開いた。ちょうどを狙ったかのように額の汗を拭きながらカウンターの端に二人並んで、女性は明らかにこちらを知っているかの様子で穏やかな表情で座り、男性は少...

2025/07/01 10:00

令和七年 蚊取り線香の香りが懐かしい今に

 7月になった。梅雨時だかなんだかわからない。かといって梅雨明けしたところで、その後に待ち受ける酷い暑さを考えると、待ち遠しいかどうかもわからないけれど、子供の頃はまだ少しだけ、夏の夕立や梅雨明...

2025/06/24 10:00

令和七年 時は金なりなのかな、と考える街角で

長すぎる梅雨の中休みのある夜に著名な人物の息子で建築家、長らく開業しているクリニックで少子化していく日本に対峙している医師、幼馴染みと言えるほどに長く友人の二人がカウンターで酒と会話を楽しんでいた...

2025/06/17 10:00

令和七年 雨の季節のはじまりの酒場にて

このところ特に海外からの訪問客が多く、俗に言うインバウンド需要もあるのかもしれないけれど、彼らの国や暮らす街にはないであろう日本のスタイルの酒場を楽しむために来てくれている、そう思っているし、数多...

2025/06/10 10:00

令和七年 昭和、平成、今は令和の酒場にて

何かと節目のような境目のようなケジメのようなものを毎年感じる、5月のおわりから6月、そろそろ雨の季節に入ろうかという天候が続いたある日の夕暮れ、しばらく顔を見ることのなかった、長年のお付き合いをいた...

2025/06/03 10:00

令和七年 東京生活暦のおわりとはじまりの頃に

前略、あの日、5月31日の夜行列車で上野駅のホームに降り立った君へ。あの時、何を考えていましたか?ワクワク、ドキドキ、夢一杯でしたか?今となっては遥か昔、35年も前のことだから覚えていることはないでしょ...

2025/05/27 10:00

令和七年 雨の季節を前に全身で深呼吸した佳き日に

祝いの席にお招きいただき、久しぶりに明治神宮前を訪れた。祝いの儀や宴に参列する大切な友人、仲間のひとりとして加えてもらったことに感謝しているし、あの場にいて美しい時間を共有出来たことがとても嬉しい...

2025/05/20 10:00

令和七年 爪の伸びる速度が遅くなった年頃に

家族ぐるみのお付き合いというよりも大変お世話になった方に、ほぼ50年ぶりに再会した。父親が長年、びっくりするほど長い間勤めた会社の社長だった方で、当時の会長がまだ健在で社長だった頃から、父親はそのも...

2025/05/13 10:00

令和七年 半日だけの安息のとある日曜日に

ある日曜の朝、23番線ですでに待っている、東京駅発7時24分あさま603号に乗車。こういう日に限り(!?)朝食に缶ビールとサンドイッチで、終えた一週間の心身にダメ押しをする。東京と埼玉の境を越えたことに気づ...