2024/03/24 10:00


○これまでとこれからと

NI: 今の時代って、例えば栗岩さんが死んじゃったとしても検索できちゃいますよね。
栗: 以前Fさんが言っていたけど削除出来ない、消えない、ですからね、ネット上では。
だから、いつか気になった時に調べてみたりすることがあったら出てきちゃいますからね、残念ながら。
CU: 出てきて欲しいですけどね。家族にって大事ですからね、仕事ではないところで。
栗: 自分は仕事と人生が一緒になっちゃってますけどね。
F: 確かに子供に伝えるって大事ですよね。
NI: 家族の話だと、これまで後半6回のなかで自分の原点ってどこにあるんだろうって考えてみると、
あまり両親と真面目な話はしなかったんですけど、やっぱり、考え方とか価値観とか、
そういうところは、家族が良しとしているところの影響が大きいなって。
言動だけじゃなくて、生きる姿勢とかもですね。
栗: NIさんのこれまでの言葉を聞いていると、考え方のベースが家族にあるのかなって感じてましたね。
F: NIさんは結構自由にされてた教育方針でしたか?
なんか、そんな風に感じていたんですよね。今でも自由にされている感じがしてたから。
ご両親も自由にしなさいって言われてたのかなって思ってたんですよ、勝手な想像ですけど。
NI 箱入りの一人娘だったはずなんですけどね…。
小さい時はひと通り、あれやこれやを取り敢えずやってみろ、その中から好きなこと、やりたいこと、
それは自分で決めなさいっていう感じでしたね。
栗: Fさんはどうなの?お二人とも教育者でしょ。教育方針とか、厳しく言われたりとか。
F: 厳しかった、と思いますね。親父には躾とかわりと細かく言われましたね。
あと、新しいことを始める時は子供たちに見せるようにしていましたね。パソコンのセットアップとか。
経験になるから見とけって兄弟を横に座らせたり。母親は自由というか感性の人でしたね。
ただ、教育者になれとかはなくて、そういうところでは結構自由にさせてもらってましたね。
私はどちらかというと母親似で感性の人なんでしょうね。
NI: えーっ、前回の話で毎朝同じ時刻に出社する人がですか!だとしたら、相当バランスの良い人ですね。
ところで、さっきYUさんが言っていた伝える人を選んでるって話ですけど。
私もどちらかと言うとそうなんですけど。職場で下ではなく上の人がなんでそんな言い方するかな、
直属でもないのに切羽詰まって周りに降りかけてくるかなみたいな、そんな人がいるんですよ。
そういう人の対応は新しく来た人や伝えられる人には伝えてはいるんですけど、なんかそういう時、
その伝え方や言い方って大切ですよね。上から下ではなく、下から上のハラスメンもありますしね。
栗: そもそも、ハラスメントって、その伝わり方に問題があるから、なんじゃないのかな。違うかな?
YU: いわゆるセクハラとかは違いますけどね。直接的なことではないから。
栗: パワハラって命令とか指示に嫌な感じがしたら、ハラスメントになるわけでしょ。
思うか思わないか、感じるか感じないか、だと思うんだよね、伝わり方の問題。
それは普段からのコミュニケーションとか人間関係にあるんじゃないのかなって思うけどね。
教育現場ではどうなんですかね。そういう事例ってあるのかな。教頭からこう言われた、パワハラだって。
CU: 学校はそもそもそういう言い方をしないと回らないところもあるので…。
でも、これを言ったらパワハラなのかな、言われたらどうしよう、みたいはことはありますね。
もともとから、あまり変わっていない、パワハラチックな仕事なので…。あるにはあるんでしょうね。
でも、それを超えていかなきゃいけない仕事って、いっぱいありますよね。今は特に医療や消防とか。
栗: ソーシャルワーカーと呼ばれる人たちの仕事はそういう部分が多いのかな。
CU: 声をあげたら、そうなっちゃいますけど、仕事が回らない部分もありますからね。
うちの学校ではないですけど、若い世代にはあるみたいですよ。定時で帰るからとか、休暇とかも。
F: 自分の保身のためでもあるんでしょうね。
栗: ハラスメントだって言われちゃうと、伝え方が難しいなって思うよね。
なんでも良いから俺の話を聞け、みたいな人はいなくなっちゃうんだろうね。
生きづらいんだろうな、そういう人たちは。酒場とか仕事に関係のない場所にはいるけどね。
一方的に自分の話をし続けたり、説教好きとか、若い人に熱く語りたいおじさんとかね。
F: 以前ギリギリの人がいましたよね。初めて会ったのに肩を抱かれて、すごく話好きで、
距離感をすごく詰めてくるタイプでしたよね。でも面白かったですね。嫌いじゃないですね。
YU: それって人によるんでしょうね。バリアを張っているような自分のタイプには無いんだろうな。
でもすごく昭和的な経験しましたね。僕はすごく仲良くなれば少しはあるんでしょうけど、初対面って。
CU: そういう酒場のコミュニケーションって変わりました?
栗: 自分のスタンスだと、変化はあまり感じませんけど、変わってきてるんでしょうね。飲み方は特に。
コロナ以後では時間帯が早まった感じはしますね。早く始まって遅くならないような感じ。
あとは、実質的な人との距離感は変わりましたよね。あまり寄らなくなった気がしますね。
NI: さっきのFさんの話ですけど、初対面の相手に自分のことを話してくれるって、
どこか嬉しいかもしれませんね。自分自身をさらけ出しているわけですよね。
栗: 自分が若い頃には、そういう構ってくれるおじさんたちがたくさんいて、
カウンターの端っこで呑んでると、「おい、こっちで呑もうよ」みたいなね。当たり前のように奢りで。
CU: 今は端っこにいるだけで、気にかけないんでしょうね。惜しいですね、惜しい、そういうことが。
栗: きっと今は何を言われるかわかったもんじゃないから、みたいなこともあるんでしょうね。
自分は出来るだけ、この人とこの人はつなげたいと思ったら、話の流れでその方向に、
もちろん相性は見ますけど、持っていって紹介するとかするようにしてますね。
F: 自分ははっきりものを言う人が少ない今の世の中で、あんなタイプは結構好きで、
言いたいことをはっきり言えるって良いですよね。良いも悪いもはっきり言う人が減ったなって。
栗: 言えない時代になっちゃったんだろうね。
F: そうですよね。何かあったらすぐ言われちゃうし、あげ足を取られたり、足元を掬われたり。
栗: 政治の話はあまりしたくないけど、今の政治家にもいないよね、田中角栄みたいな人。
敵を作りながらでも、もの申したり、言った言葉に責任を持てる人ってさ。
F: これから、もっともっと伝えられる人が少なくなっていくのかな、って気がしていますけどね。
当たり障りないことを言ったり、何も言わずにいる人とかもですけど。
栗: ことなかれ主義とかも、だよね。
F: 今、自分の会社がそうかもしれないですね。規模が大きくなって、凡庸でいくとか。このぐらいでって。
100点満点ではなくて70点から80点で上手くまとめるみたいなやり方ですね。
CU: でも、そうすることで会社としては、長い目で見て良しという判断なんですよね。
F: そうですね。その分評価ポイントを上げて、給料も上げてみたいなところですね。
そうしないと幅広く人材を確保できないからというところもあるみたいですね。
栗: Fさんは創業当時からいるから、今の状況とかが寂しいんじゃないのかな。会社の熱量というかが。
F: そうなんですよ。5人の時からなので、ルールが整っていない状態で仕事に追われていて、
会社もバラバラになりそうなことも経験してますからね。ある程度の規模、今は200人ぐらいですけど、
そういうところにいくんだったら、必要なことなのかな、とも思いますけどね。
ただ、ルールを作って固めていかなくても、個人個人が熱い想いをもって仕事をしながらも、
ちゃんと組織を保てる、これから先もっと拡大してもそういられるほうが良いんですけどね。
昔からいた人間としては、そう思ってはいても難しいところですよね。
だから、しっかりとしたルール作りは必要なんだろうな、って思っていますね。
栗: YUさんは違う感じだよね、プロジェクト単位だから。
YU: そうですね。会社の規模は10倍ぐらいですから、プロジェクトやクライアント別に細分化されて。
だから、チーム単位になってますね。
栗: Fさんの200人規模って、綻びやすいのかもしれないよね。会社全体の人の顔が見られるから。
F: そうなんですよね。やりにくいところもあるんですよね。悪口とかはすぐに広まったり、とか。
YU: Fさんは10年ぐらいでしたよね、今の会社には。
F: そうです。30才を機に転職したので。当時はパワハラしかなかったような状況でしたので。
だから、今の自分は耐性があるんですよね。慣れちゃったというか。
栗: 独立する前の会社は、2人で初めて5年で人数が20倍、売上が50倍とかだったから、
組織が空中分解しちゃったところもあったかな。自分はそこの2番手だったから、
トップ下の司令塔であり、緩衝材であり、そんな役割を担ってたかな。
YU: 今の栗岩さんから、2番手で緩衝材っていうことは想像出来ないですよね。
栗: 基本はそのタイプだと思うけどね。昔からアシストが多かったし。黒子的な役割でね。
まあでも、30代後半はきつかったなー。今思えばね。組織の内外で常に、気持ちが休まらなかったね。
YU: やっぱりどこかの時点である程度の仕組化や凡庸化は必要なんでしょうね。
栗: それは考えたことがあったよ。このままでは保てないなって。仕組みや均一化が必要だなって。
だんだん、コミュニケーションの仕方も歪になっていったし。言いたいことも言えずに探りあいとか。
YU: 僕は転職した時に感じたことなんですけど。
現場を2件ぐらいやっても、やりきれなかったんですよ。必要ないじゃん自分、みたいな。
変化はないし、泣かず飛ばすでしたね、あの頃は。そのうち自分で出来るようになって。
その時に成長出来たところはありますね。責任というか一任された時にですね。
栗: 確かに転職したばかりの頃はくさってる感じがあったかもね。
YU: 最初の一年ぐらいはくさってましたね、実際に。それからだんだんと良くなってきたので。
今伝えたいこと、というかはわからないですけど、効率化することや無駄を省くことは
下の子たちに伝えたいことなのかもしれないですね。そういうことを学んだあの二年間でしたね。
F: でもよくリカバリー出来ましたね。転職したての時にダメになっちゃう人も多いですしね。
YU: 僕はそれこそ、不謹慎ですけどコロナに救われましたね。すべてのプロジェクトがなくなったので。
あの時ですね、色々と考える時間も出来たので。
栗: コロナってさ、ホントいろんなことを変えちゃったよね。人事の仕事の人が言っていたけど、
オンラインの面接や研修だと伝わらないって嘆いていたね。熱が伝わらないって。
自分はあの時、闇とかなんとか言われようと、淡々と営業を続けたんですよね。体温が伝わるように。
顔と顔を付き合わせて話せるようにって。あの時は街全体に人がいない非日常だったから、
忘れちゃいけない日常を保つようにしていたかな。淡々とね。給付金も一切申請しないでね。