2023/10/31 10:00
今、衣替えをしている。
少し前までは9月のおわりにしていたような気がするし、
子供の頃には8月のおわりだったような気もするものの、
酷い残暑だったことを忘れて、寒さすら感じる今、している。
備忘録的な季節ごとの素材はというと、
立春から春分を過ぎて立夏までが薄手の羊毛、
夏至から立秋までが麻、立秋から秋分までが綿になり、
秋分から立冬、金木犀の香りが消えるまでが絹になる。
そして、立冬から冬至、節分までが厚手の羊毛、たまにカシミア。
そんな流れになっている。
新旧の暦の違いはあるものの、
季節感が溢れ、それを体感しながら二十四節気に基づいている。
もちろん、ドレスパンツは羊毛、カジュアルパンツは綿と、
衣服のカタチによって年中変わらないものも当然ある。
以前、登山家に聞いたところでは、
進化している化学繊維が生まれる前までは、
撥水性、抗菌性、保温性、耐久性に優れた羊毛素材で、
肌着から外套までが作られていたとのこと。
靴はもちろん皮革性。
厳しい自然環境で生きる動物の皮膚の強さに感動すら覚える。
コンクリートのジャングルに生きる足下は、
仕事用は別にして、近所のちょっとした外出に
愛用しているビーサンならねギョサン、
(ギョサン?って思う方はお調べいただきたく…)
それを冬の寒さに負けないように仕舞ってからスニーカーに。
ちなみに、化学繊維は、
パタゴニアのフリースとサーフパンツ以外は街では身につけない。
もうひとつ、何となくそうしていることがある。
それは、京都は絹、東京は綿、島は麻、というもの。
ずいぶんと勝手な思い込みだとは思うものの、
何故かと訊かれても明解な答えはなく、そうしているし、
先日、京都に赴いた時にもそうしていた。
自己満足?コスプレ?と言われるかもしれないが、
寺社仏閣や室町文化に基礎を持ち、100年では小僧と言われ、
150年前までは国の中心で都だった街に、
敬意と皮肉を持ち合わせながらそうしている。
出雲大社を中心に西側では神有月、それ以外は神無月。
神無月を上な月として、その次たから下な月、だからしもつき。
神事として、今では11月23日に執り行われる新嘗祭で、
秋の収穫物を神に感謝して食すことから食物月(おしものつき)
だから、しもつき。
日が短くなり、太陽の光や熱が弱くなることから萎む月、
だから、しもつき。
空気中の水分が夜のうちに冷やされて霜になり、
朝になって降りてくる霜降を過ぎて立冬に向かう。
呼称、異名を数多く持つほどに様々な景色が輝く昼、
澄みきった夜空の月の満ち欠けが美しい霜月。
西暦では2023年、元号では令和5年があと少しで終わる。
みなさま、くれぐれも心身共にご留意を。
あ、大好きなコートとタートルネックのニットも出さなくちゃ。
令和五年 神無月のおわりに満月が輝いた夜に
栗岩稔