2023/09/26 10:00

ジョン・レノンのジェラス・ガイが好きだった。
I'm just a jealous guy. I'm just a jealous guy.
と、繰り返されるサビの部分が今でも耳に残っている。
1971年発表のアルバム「Imagine」に収録されているこの曲、
ジョン・レノン自身が何かのインタビュー記事で語っていた。
「歌詞は読んだままの意味だよ。僕は嫉妬深く、
独占欲にまみれていたんだ。何もかもに対してね。
自分にまるで自信がなかったんだ。」
発表から50年以上が過ぎた今でも愛されているこの曲は、
男の本心のような、醜く弱いところをあぶり出すように、
男心の代弁者のように表現された言葉、美しい旋律、
一音目からのピアノの音、改めて名曲だな、と。
昨今は、ジェラシー=嫉妬という解釈には違和感を覚える。
ジョンが唄ったジェラス・ガイは嫉妬深い男なんだろうけど、
日本的に言うと、やきもち焼きなのかなって。
まあ、独占欲にまみれていたという彼の言葉を考えれば、
嫉妬深い男、なんだろうけれど…。
どちらかと言うと身を焦がすという言葉もある通り、
いてもたっても居られないジリジリした感じなのかなって。
心火を燃やす、なんてきれい(!?)な言葉もあったりするし。
やきもちって、妬く気持ちがやきもちになった、とか、
妬くことと焼くことにかけた言葉に洒落で餅が添えられた、とか、
はたまた、ふくれっ面が焼いた餅みたいだから、という説もあったり。
やきもちは嫉妬から生まれた言葉ではあるものの、
主に身近な人に使われる言葉で、
特に好意を寄せる相手にとっての一番でありたい気持ちに反して、
その相手が他者に気持ちや好意が向いたりすると、
自分の存在が脅かされるかも、という不安だったり、
他者に対して羨ましく思うと同時に妬ましい気持ちが生まれて、
相手に対する好意の裏返しからくる感情なんだとか。
かたや嫉妬は、自分より優れた他者に対して、
妬みや嫉みといったネガティブな感情だとか。
羨ましく感じると同時に憎しみに似た感情も含まれて、
自分に自信がなく、コンプレックスを抱えた状態が多いらしく。
このあたりは、以前も書いているのでこちらでも。
やきもち、妬み、嫉み、嫉妬、すべてに言えることは、
自分に自信が持てないことから生まれる感情であることは間違いなくて、
それが相手に向かうのか自分に向かうのか他者に向けるのか、
そのベクトルの違いなのかな、って。
とにかく、自分を信じていられることが大切なのかなって。
自分の人生がそれなりに充実していれば、
そんな感情は生まれないような気がするし。
自分の経験上、実際そうだよなって…。
ジョンだって「自分にはまるで自信がなかった。」と言っているし。
その約10年後には凶弾に倒れ、人生を語ることを失った。
年老いたジョンの言葉を聞くことが出来ないことは
残念だなと思いながらも、聞かなくて良かったとも思ったり。
今思うのは、ジョンは死ぬまでジェラス・ガイだったから、
あの力強く美しい楽曲の数々を世に送り出したのかなって。
自信に満ち溢れた人間の言葉とは違うかなって。
ま、敬愛するジョンの話はこれくらいにして、
百聞は一見にしかず、ということで。
そろそろ、ジョンも誕生日を迎える。
生きていれば83才、年老いたジョン、か…。
あぁ、あの人も、だ。どうしているかな、あの人。
先行き見えない若かりし時に出逢えたあの人…。
令和五年 美しすぎてジェラス・ガイだった頃を想う秋に
栗岩稔
追伸、9月のおわりの土曜の午後に、栗岩稔と人間学を開催します。
誰にでもあるはずの嫉妬について、語り合えたら幸いです。
↓
栗岩稔と人間学第九回
テーマ : あなたにも嫉妬の心ってありますよね?
日時 : 9月30日土曜日午後1時から午後3時
場所 : GOTTA STUDIO KUDANSHITA
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参加費 : ひとり3000円
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問い合わせ : GOTTA STUDIO mineosha@icloud.com