2022/12/13 10:00
良い酒、善い酒、好い酒、
最近、そんなことを考えている。
様々な街角、様々な場所、様々な酒、そして人、
その時間に真正面から向き合っている。
カウンターの形が違い、高さが違う。
仮設だったり、そもそも無かったり。
新しい店、新しいサロン、アトリエ、
服飾専門店、屋根裏部屋。
様々な場で何人かに、
「栗岩さんて、どこにいても栗岩さんの酒になるんですね」
「栗岩さんは、どこにいても栗岩さんのホームになるんですね」
と有り難く、嬉しい言葉をいただいた。
つい先日は、
普段と違う賑わいの街で30年ぶりに仕事をした。
テーマを決めて開かれた一夜限りのその酒場、
普段接することが少ない人々を前に酒を作った。
それぞれに楽しんでいてくれたことを肌で感じながらも、
その瞬間にSNS で広がっていく酒の景色に驚きを感じた。
30年前には想像も出来なかった時代を実感しながら、
土曜の夜の喧騒と煌めきの百軒並ぶと言われる街を歩く。
人混みの遅い歩みがちょうど好い、心地好い疲れ。
良いとは、いろいろな意味で優れていて好ましい。
善いとは、道徳的に望ましく正しく人として立派。
好いとは、愛着や喜びで満足を得られて好ましい。
高級な酒、希少価値ある酒、安い酒に旨い酒。
いろいろな酒があるものの、
結局のところ、作る人、飲む人、その場所と時間、
この関係がうまくいくと「イイ酒」になるのかな、
などと思い巡らす師走の頃。
宿酔にはならないように、飲み過ぎにはくれぐれもご留意を。
佳き日を迎えられますように。
令和四年 心地好い疲れ漂う正月事始めの頃に
栗岩稔