2022/12/06 10:00
先日終えた「栗岩稔と人間学-序章-」。
来年からはじまるコトのはじまりを良いカタチで終えた。
20代、30代、40代、50代、参加したすべての人が、
「話す」ことを率先していた。
順序良く、節度良く。
話さない時にも、その聞き方、その姿勢。
良い時間だった。
皆目見当もつかない初の試み。
大きな期待と小さな不安が始める直前まで入り交じっていた。
いざ、ふたを開けてみると、自己紹介から始まった話しの輪、
少しずつ、少しずつ、大きくなったり、小さくなったり。
思い思いに秘めた言葉を発しながら、それに応える周りの他人。
その共有する時間を選んで集まった他人同士。
「話す」ことはやっぱり大切だと思った。
何となく、令和四年の終わりを感じながら、
令和五年のはじまりに期待しながら終えた。
とは言っても、まだまだ続く師走の日々。
あんなコト、こんなコトが目白押し、
素敵な時間も目白押し。
ある寒い夜、気心知れた人々が集う酒場の時間。
これまでのこと、今のこと、これからのこと、
初めましての人は自己紹介、特定の人同士ではなく、
大きな輪と小さな輪が行ったり来たり、やがて大きな話しの輪。
主たる人がいなくなっても消えない話しの輪。
とても上手に「話す」ことがつながる素敵な時間。
酒の場というもの、良くも悪くもフィルターがない。
良い方向に行くこともあれば、悪い方向に行くこともある。
名刺があろうと無かろうと、肩書きがあろうと無かろうと、
それは目の前にいる素の人と共に過ごす大切な時。
酒があり、言葉があり、音があり、会話がある。
もちろん、そこには他人同士。
限られた時間の中で必然的に共有しているその時間。
その時間をどう過ごし、どう終えるのか、
それは、そこにいる「人」次第。
「せっかくなんだから、良い時間にしたら」と思う昨今。
冷え込んだ夜にひとり、酒場の灯りを消しなから振り返る。
そしてまた、朝を迎えて新しい一日がはじまる。
「あと何回ですかね、東京の落ち葉を見られるのは。
あと15回ぐらい、ですか……」
「えっ……」
同い年の美しい女性の赤らめた顔を思い出しながら。
令和四年 落ちない落ち葉を眺める朝に
栗岩稔