2022/11/01 10:00

「あー、自由で良いんだと、思えたんです」


そう言われたことが、とある青年との出会いだった。

何だか複雑な思いを感じながら嬉しく思った。


決して自由に生きて来たわけでもなく、

どちらというともがきながら生きてきた気がするものの、

半分にも満たない彼から見たら自由に生きていると思えたのかもしれない。

何をもってそう思ったか、いざ知らず多大なる興味を示してくれた。


聞けば、その道のプロという選択肢を目指しつつも挫折し、

大きく外れることを自ら選び、このままで良いのか、

この先どうなるのか、歳を重ねてどうなるのか、

そんな疑問が渦巻いている時に出会ったとのこと。

自由に思うがままに生きてきて存在価値を感じる、目の前のおじさん、

その重ねてきた時間や経験に興味を持ってくれたらしい。

こちらが恥ずかしくなるくらい真正面に向き合い、

悩みながらも一歩ずつ歩もうともがいている、

彼のその姿勢がとても嬉しかった。


振り返って見れば、自分も彼ほどの年齢には、

世の中(もちろん酒場が中心)の格好良いおじさんたちがいて、

その姿に憧れ、学び、真似をしてみた。

今となっては、その経験と知識が自分を形成していると言っても過言ではない。


常々考えていたことではあるが、

今改めて、自分の使命として、学び習得してきた経験を

自分が伝える時期に来ているのだと強く感じる。


そんな彼とひとつの仕事をする。

仕事というよりも、これまで常々考えていた「次世代に伝えること」

その使命に近い感覚で、それに真正面から向き合いたい。

自身の年齢の半分にも満たない彼とともに、

疑問や投げかけについて語り合い、書き残していこうと思う。


また熱く語らいたい、次世代の彼らと。


先日の打ち合わせの時、

初めて会った時のように、大きな大学ノートに書いている姿をみた。

増えていくであろうそのノートがとても楽しみに思えた。


みなさまと車座になってテーマに基づく語らいの時

「栗岩稔と人間学」を開催します。

詳細は改めて。


令和四年 寒さ増す立冬を前に熱く思う

栗岩稔